こちらでは「モカシダモ」についてご紹介します。
大手コーヒーメーカーの商品などで「モカ」という言葉は聞いたことがある人も多いと思いますが、モカには「モカシダモ」「モカマタリ」などいくつかの種類があります。
「モカシダモ」は『コーヒーの貴婦人』とも呼ばれている、とても評価の高いコーヒー豆です。
ここでは、モカシダモの名前の由来(意味)・産地・味や香りの特徴・グレード、「モカマタリ」との違いなどについてご紹介します。
モカシダモ「名前の由来」(意味)
「モカシダモ」の名前(意味)はイエメンにあるかつてコーヒーの貿易で栄えた港町「モカ」と、エチオピアの「シダモ地方」に由来しています。
「シダモ」は、シダマという民族名に由来しているそうです。
モカシダモ「産地」
「モカシダモ」の産地は、アフリカではナイジェリアの次に人口が多いエチオピアです。
エチオピア中南部のシダモ地方で栽培されています。
世界のコーヒー産地を大きく分類すると、
「中南米」 … キューバ(クリスタルマウンテン、シエラマエストラ)、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア(エメラルドマウンテン)、ジャマイカ(ブルーマウンテン)、パナマ(ゲイシャ)、ハワイ(コナコーヒー)、ブラジルなど
「アジア」 … インド、インドネシア(コピ・ルアク、ジャワコーヒー、トラジャ、マンデリン)、ベトナムなど
「アフリカ」… イエメン(モカマタリ)、エチオピア(モカシダモ)、ケニア、タンザニア(エーデルワイス、キリマンジャロ)など
などのような産地に分類されます。
シダモ地方は標高2000m前後の高地で、昼夜の温度差が大きい、降水量が多いなどコーヒーの生産に適した条件がそろっており、高品質なコーヒーの産地として有名です。
モカシダモ「歴史」
「モカ」の産地は主にエチオピアとイエメンですが、この地域は『コーヒー発祥の地』と言われています。
エチオピアは、世界で初めてコーヒーを見つけたと言われる『山羊飼いカルディ』の地としても知られる、コーヒーの歴史の中でも重要な場所です。
エチオピアでは元々コーヒーノキが自生していて、コーヒーの原種とされています。
「コーヒー」という言葉は、エチオピアの南西部の「カファ地方」に由来しているのだとか。
エチオピアのコーヒーがイエメンに持ち込まれ、16世紀にイエメンを支配したオスマン帝国により奨励されたことで生産量が増え、広く輸出されるようになりました。
17世紀にはイエメンのモカ港からヨーロッパへの輸出も活発になり、コーヒー取引の最盛期を迎えたそうです。
エチオピアは19世紀前半にはモカ港を経由せずに直接コーヒー豆を輸出するようになり、価格的にもモカ港を経由しない方が安いことから、モカ港の地位は低下していったのだとか。
エチオピアは現在でもコーヒーの主要生産国で、2019~2020年度のコーヒー生産量は約46万トンで世界5位となっています。
コーヒーはエチオピアの主要な輸出品のひとつでもありますが、近年では紅海の海運危機(イエメンのフーシ派による船舶への攻撃など)により、輸出への悪影響も出ているようです。
モカシダモ「モカマタリとの違いは?」
モカシダモとモカマタリの違いとしては、まずは産地が違います。
モカシダモはエチオピアが産地ですが、モカマタリはイエメンになります。
また、モカシダモは主にウォッシュド(水洗式)ですが、モカマタリは果実がついたまま家の屋根の上で天日干しにするナチュラル(非水洗式)となっています。
精製方法にも違いがあるので、風味などにもやはり違いが出てくるようです。
モカシダモ「グレード」(格付け)
モカシダモの産地であるエチオピアのグレードは、300g中の欠点豆の混入量によってG1~8までの8段階で格付けされます。
輸出されるのはG5までで、
「G1」… 300g中の欠点豆が0~3個
「G2」… 300g中の欠点豆が4~12個
「G3」… 300g中の欠点豆が13~27個
「G4」… 300g中の欠点豆が28~45個
「G5」… 300g中の欠点豆が46~90個
となっています。
日本では「G2」と「G4」が多く流通しています。
モカシダモ「G2/G4の違い」
モカシダモのG2とG4の違いは、G2はウォッシュド(水洗式)・G4はナチュラル(非水洗式)で精製されていることです。
モカシダモ「特徴」
モカシダモは、甘く芳醇な香りが特徴です。
味はフルーティーな酸味と、モカ独特の甘みも感じることができます。
モカシダモ「おすすめの淹れ方・飲み方」
モカシダモの特徴であるフルーティーな酸味を引き出せる、中煎り(ハイロースト)~中深煎り(シティロースト)あたりの焙煎度が、おすすめの淹れ方(飲み方)です。