こちらでは、アルツーラについてご紹介します。
「アルツーラ」は、メキシコで栽培されているコーヒー。
ここでは、アルツーラの名前の意味・産地・歴史・グレード(格付け)・特徴・おすすめの飲み方などについてご紹介します。
アルツーラ「名前の意味」
「アルツーラ」の名前は、メキシコのコーヒー豆のグレード(格付け)から来ています。
スペイン語で『高地』の意味です。
アルツーラ「産地」
アルツーラの産地は…
メキシコ南部、主にオアハカ州・チアパス州・プエブラ州・ベラクルス州です。
メキシコは国土のほとんどが1000m以上の高地となっていますが、アルツーラはその中でも南部にある標高1300m以上の山岳地帯などで栽培されています。
寒暖差が大きく、降水量や火山灰性の土壌などおいしいコーヒーの栽培に適した条件がそろっています。
特に、オアハカ州にある「メルセデス農園」などが有名です。
メキシコは世界でもトップクラスの、フェアトレードのコーヒー豆出荷量を誇っています。
また、多くの生産者が「CERTIMEX」(メキシコのオーガニック認証機関)や「USDA」(アメリカ農務省)によるオーガニック認証を取得している、オーガニックコーヒー大国でもあります。
2001年までは、世界全体のオーガニックコーヒーの60%がメキシコ産だったそうです。
世界のコーヒー産地を大きく分類すると、
「中南米」 … キューバ(クリスタルマウンテン、シエラマエストラ)、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア(エメラルドマウンテン、ナリーニョ)、ジャマイカ(ブルーマウンテン)、パナマ(ゲイシャ)、ハワイ(コナコーヒー)、ブラジル(ブルボン アマレロ)、メキシコ(アルツーラ)など
「アジア」 … インド、インドネシア(コピ・ルアク、ジャワコーヒー、トラジャ、マンデリン)、ベトナムなど
「アフリカ」… イエメン(モカマタリ)、エチオピア(モカシダモ)、ケニア、タンザニア(エーデルワイス、キリマンジャロ)など
などのような産地に分類されます。
アルツーラは、中南米系のコーヒーになります。
アルツーラ「歴史」
アルツーラの産地であるメキシコでは、1790年代にスペイン人によってキューバやドミニカ共和国からコーヒーの苗が持ち込まれ最初のコーヒー農園が開園されたことが、コーヒーの歴史の始まりとされています。
その後、グアテマラなどの中米諸国からドイツ人やイタリア人移民がメキシコに移住し、換金作物としてのコーヒー栽培が始まったそうです。
メキシコは16世紀前半からスペインの植民地として支配されていて、植民地として支配されている間は、コーヒー栽培はあまり大きくは広まりませんでした。
しかし、1810年からミゲル・イダルゴにより始まった独立運動により1821年にスペインから独立後、少しずつコーヒー栽培が広がっていったそうです。
1914年の農奴解放により、小作農として働いていた先住民の人々が自分の地域でコーヒーを栽培するようになったことで、本格的にコーヒー栽培が普及し始めます。
1958年に「メキシコ国立コーヒー研究所」(INMECAFE)が設立され、コーヒー生産がメキシコにおける外貨獲得手段として徐々に認められるようになりました。
メキシコ国立コーヒー研究所が手厚く支援していた1973年~1990年の間には、メキシコでのコーヒー生産量も大きく増加したそうです。
メキシコ国立コーヒー研究所は1989年に解散されましたが、「CEPCO」や「UCIRI」などのコーヒー協同組合が設立され、メキシコのコーヒー生産を支えながら今日に至っています。
メキシコのコーヒーには、様々な歴史があるのですね。
アルツーラ「グレード(格付け)」
アルツーラの産地であるメキシコでは、標高によって、
「SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)」 (標高) 1700m以上
「HG(ハイ・グロウン)」 (標高) 1000~1699m
「SD(スタンダード)」 (標高) 700~999m
「AL(アルツーラ)」 (標高) 1300m以上
「PL(プリマラバド)」 (標高) 900~1299m
「BL(ブエンラバド)」 (標高) 750~899m
上記のように、2種類のグレード(格付け)が混在しています。
アルツーラ「味や香りの特徴」
アルツーラの特徴は、バランスの取れたやわらかな酸味と苦味です。
グレープフルーツのようなフルーティーで芳醇な香りも感じられます。
アルツーラ「おすすめの飲み方」
アルツーラのバランスの取れた酸味と苦味を楽しめるフルシティロースト(中深~深煎り)の焙煎度で、そのままブラックで飲むのがおすすめの飲み方です。
ミディアムロースト(中浅煎り)などの場合は酸味が強く出やすいので、ミルクを入れて飲むのがおすすめです。