こちらでは「モカマタリ」についてご紹介します。
大手コーヒーメーカーの商品などで「モカ」という言葉は聞いたことがある人も多いと思いますが、モカには「モカマタリ」「モカシダモ」いくつかの種類があります。
カルディなどでも、「モカマタリ」という名称で販売されています。
ここでは、モカマタリの名前の由来(意味)・産地・味や香りの特徴・グレード、「モカシダモ」との違いなどについてご紹介します。
モカマタリ「名前の由来」(意味)
「モカマタリ」の名前(意味)はイエメンにあるかつてコーヒーの貿易で栄えた港町「モカ」と、イエメンの「バニーマタル地方」に由来しています。
バニーマタルは、直訳で『雨の子孫達』という意味になるそうですよ。
モカマタリ「産地」
「モカマタリ」の産地は、アラビア半島の南端に位置するイエメンです。
世界のコーヒー産地を大きく分類すると、
「中南米」 … キューバ、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア(エメラルドマウンテン)、ジャマイカ(ブルーマウンテン)、ハワイ(コナコーヒー)、ブラジルなど
「アジア」 … インド、インドネシア(コピ・ルアク、ジャワコーヒー、トラジャ、マンデリン)、ベトナムなど
「アフリカ」… イエメン(モカマタリ)、エチオピア(モカシダモ)、ケニア、タンザニア(エーデルワイス、キリマンジャロ)など
などのような産地に分類されます。
イエメンの中でもバニーマタル地方で栽培されているものは「ホワイトキャメル」と呼ばれています。
バニーマタル地方は標高2000m前後で雨が多く、昼夜の温度差が大きいなどコーヒーの生産に適した条件がそろっていることから、おいしいコーヒーの産地として有名です。
モカマタリ「歴史」
「モカ」の産地は主にエチオピアとイエメンですが、この地域は『コーヒー発祥の地』と言われており、コーヒーの歴史の中でも重要な場所とされています。
エチオピアからイエメンに持ち込まれたコーヒーの栽培が、16世紀にイエメンを支配したオスマン帝国により奨励されたことで生産量が増え、広く輸出されるようになりました。
17世紀にはモカ港からヨーロッパへの輸出も活発になり、コーヒー取引の最盛期を迎えたそうです。
18世紀にもまだモカ港はその地位を保っていたようですが、19世紀前半にはエチオピアがモカ港を経由せずに直接コーヒー豆を輸出するようになり、価格的にもモカ港を経由しない方が安いことから、モカ港の地位は低下していったのだとか。
近年では2015年に内戦が始まってしまったことで人道危機に陥っており、コーヒーの生産や輸出にも悪影響が出ているようです。
モカマタリ「モカシダモとの違いは?」
モカマタリとモカシダモの違いとしては、まずは産地が違います。
モカマタリはイエメンが産地ですが、モカシダモはエチオピアになります。
また、モカマタリの産地であるイエメンは果実がついたまま家の屋根の上で天日干しにする非水洗式、モカシダモは主に水洗式となっています。
精製方法にも違いがあるので、風味などにもやはり違いが出てくるようです。
モカマタリ「グレード」(格付け)
モカマタリのグレードは、コーヒー豆の大きさ(スクリーンサイズ)と欠点豆の量や色合いによって、
「アールマッカ」(最高等級)
「No.9」
「No.8」
「No.7」
「No.6」
に格付けされていますが、明確な基準はありません。
明確な基準がないこともあり、グレードが高くても欠点豆が含まれています。
欠点豆が含まれがちな理由としては、果実がついたまま家の屋根の上で天日干しにする非水洗式という、イエメンでのコーヒー精製方法によるところが大きいようです。
日本では、「No.9」が多く流通しています。
モカマタリ「特徴」
モカマタリは ”赤ワインのような香り” ”フルーツが熟れすぎた香り” などと表現される、独特な甘い香りが特徴です。
味はフルーティーな酸味が特徴で、チョコレートのような甘さも感じられますよ。
モカマタリ「コーヒールンバ」
「コーヒールンバ」という楽曲は、歌詞にモカマタリが出てくることで有名です。
日本でも、
西田佐知子 (1961年)
ザ・ピーナッツ (1962年)
荻野目洋子 (1992年)
井上陽水 (2001年)
など、多くの有名歌手が日本語でカバーしていますよ。
モカマタリ「おすすめの淹れ方・飲み方」
モカマタリの特徴であるフルーティーな酸味を引き出せる、中煎り(ハイロースト)~中深煎り(シティロースト)あたりの焙煎度が、おすすめの淹れ方(飲み方)です。