こちらでは、レインフォレスト・アライアンスについてご紹介します。
「レインフォレスト・アライアンス」とは、森林の減少による生物多様性や気候変動などへの悪影響への懸念から、環境保護と持続可能な農業の推進を目的として1987年にダニエル・カッツにより設立された、ニューヨークに本部がある国際的な非営利団体のこと。
レインフォレスト・アライアンス認証は森林・土壌・水などの天然資源の保全、生態系・生物多様性の保護、農業従事者の労働条件改善など人権尊重、教育・福祉などを通しての社会貢献など厳しい基準を満たした農園のみに与えられています。
コーヒーの世界においても、「オーガニック」や「フェアトレード」などと並ぶ権威ある認証のひとつです。
ここでは、レインフォレスト・アライアンスの基準・認証マーク(カエル)の意味・SDGsとの関係・やばいと言われる危険性などについてご紹介します。
レインフォレスト・アライアンス「コーヒー」
レインフォレスト・アライアンス認証はコーヒーだけではなく紅茶・チョコレート・バナナなどが対象となっていますが、コーヒーは主要な対象商品のひとつとなっています。
レインフォレスト・アライアンスは世界中で40万軒以上のコーヒー生産者を認証しており、彼らと協力しながら、気候変動への対応や生物多様性の回復などに取り組んでいるそうです。
レインフォレスト・アライアンス「基準」
レインフォレスト・アライアンス認証の基準は「持続可能な農業」にあります。
持続可能な農業を実現するため、森林・土壌・水などの天然資源の保全、生態系・生物多様性の保護、農業従事者の賃金や労働条件改善など人権尊重、教育・福祉などを通しての社会貢献などの厳しい基準が定められています。
レインフォレスト・アライアンス「認証マークの意味」(なぜカエル?)

レインフォレスト・アライアンスの認証マークは、緑色のカエルのデザイン。
なぜカエルのデザインなのかという理由のひとつは、カエルが生物指標としてその生息個体数が健全な環境かどうかの判断基準となっていること。
もうひとつの理由は、創設者のダニエル・カッツが熱帯雨林の保護活動を始めた時に「アカメアマガエル」というカエルを見たからなんだとか。
この認証マークがついている商品は、天然資源保全、生態系・生物多様性保護、人権尊重などに貢献している農園により生産された農作物が原材料として使用されていることを意味しています。
レインフォレスト・アライアンス「遺伝子組み換え禁止」
レインフォレスト・アライアンス認証を受けた農園では、遺伝子組み換えの農作物を禁止しています。
遺伝子組み換えを禁止している理由としては、野生のものと混ざることで生態系に悪影響を及ぼす可能性があり、持続可能な農業というレインフォレスト・アライアンスの目的に反するからということのようです。
レインフォレスト・アライアンス「SDGsとの関係」
「SDGs」とは日本語で ”持続可能な開発目標” と訳され、2015年9月の国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、先進国 / 発展途上国に関係なく取り組むべきとされる国際的な目標のこと。5つの分野 (人間・繁栄・地球・平和・協働) と17の目標、169のターゲットから成り立っています。
レインフォレスト・アライアンスはSDGsの以下の17の目標の中でも、
(1) 貧困をなくそう
(2) 飢餓をゼロにする
(3) すべての人に健康と福祉を
(4) 質の高い教育をみんなに
(5) ジェンダー平等を実現しよう
(6) 安全な水とトイレを世界中に
(7) エネルギーをみんなに そしてクリーンに
(8) 働きがいも 経済成長も
(9) 産業と技術革新の基盤をつくろう
(10) 人や国の不平等をなくそう
(11) 住み続けられるまちづくりを
(12) つくる責任 つかう責任
(13) 気候変動に具体的な対策を
(14) 海の豊かさを守ろう
(15) 陸の豊かさも守ろう
(16) 平和と公正をすべての人に
(17) パートナーシップで目標を達成しよう
特に(13)(15)と深く関係があるとされています。
レインフォレスト・アライアンス「危険性」(やばい?)
レインフォレスト・アライアンス認証に関する危険性として、少し乱暴な言葉ですが「やばい」と指摘されることが多い点のひとつとしては、農薬や化学肥料の使用削減を推進してはいるものの完全には禁止していない点にあるようです。
農薬や化学肥料の使用を完全に禁止している「オーガニック(有機)」認証との違いでもあります。
バナナにおける残留農薬の危険性を指摘されることが多いようです。
レインフォレスト・アライアンス「ビル・ゲイツ」(出資者?)
レインフォレスト・アライアンスはビル・ゲイツが出資者であるとか、ビル&メリンダ財団に所有されているといった噂があり、やばいと言われる理由のひとつにもなっているようです。
ただ、この噂はいずれも明確な根拠はないようで、また所有に関してはレインフォレスト・アライアンス側が明確に否定しています。
あくまでも、環境保護などを通して持続可能な農業の実現に取り組む非営利団体のようです。
レインフォレスト・アライアンス「フェアトレードとの違い」
「レインフォレスト・アライアンス」と「フェアトレード」の2つの認証の違いとしては、
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● レインフォレスト・アライアンス
”持続可能な農業” に重点を置き、農園管理の研修など。
● フェアトレード
”公正な取引” に重点を置き、最低価格保証など。
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生産者の生活水準の向上など人権保護を重視している点は非常に似ていますが、重点を置いている部分に違いがあります。
レインフォレスト・アライアンス「UTZとの合併」
「UTZ」は「UTZ kapeh(ウッツ・カペイ)」としてオランダで2002年に設立された、持続可能な農業のための国際認証。
「UTZ kapeh」はグアテマラのマヤ言語で ”良いコーヒー” の意味で、元々はコーヒーの認証プログラムだったようですが、2018年にレインフォレスト・アライアンスと合併しました。
合併に伴い、認証原材料の含有割合の基準などが見直されたようです。
