コーヒー豆には様々なグレード(等級/格付け)がありますが、その方法は国ごとにかなり違いがあります。
こちらでは、世界の主要生産国におけるコーヒー豆の等級の付け方(グレーディング)をご紹介します。
イエメンのグレード(等級/格付け)
イエメンでは国全体としての等級の付け方(グレーディング)はないようで、各生産地別にグレード(等級/格付け)があるようです。
生産地としては、基本的にはマタリ(バニーマタル地区)がグレード(等級/格付け)が一番高く、サナア、シャーキ、ホデイダという順番となっているようです。
マタリ(バニーマタル地区)
コーヒー豆の大きさ(スクリーンサイズ)と欠点豆の量や色合いによって、「アールマッカ」(最高等級)
「No.9」
「No.8」
「No.7」
「No.6」
のグレード(等級/格付け)がありますが、明確な基準はありません。
日本では、「No.9」が多く流通しています。
インドネシアのグレード(等級/格付け)
インドネシアのグレード(等級/格付け)は、300g中の欠点豆の数によって、「G1」… 300g中の欠点豆が0~11個
「G2」… 300g中の欠点豆が12~25個
「G3」… 300g中の欠点豆が26~44個
「G4」… 300g中の欠点豆が45~80個
「G5」… 300g中の欠点豆が81~150個
上記の5段階となっています。
エチオピアのグレード(等級/格付け)
エチオピアのグレード(等級/格付け)は、300g中の欠点豆の数によってG1~8までの8段階で格付けされます。輸出されるのはG5までで、
「G1」… 300g中の欠点豆が0~3個
「G2」… 300g中の欠点豆が4~12個
「G3」… 300g中の欠点豆が13~27個
「G4」… 300g中の欠点豆が28~45個
「G5」… 300g中の欠点豆が46~90個
となっています。
日本では「G2」と「G4」が多く流通しています。
キューバのグレード(等級/格付け)
キューバでのグレード(等級/格付け)は、スクリーンサイズ(粒の大きさ)と300g中の欠点豆の数により、「クリスタルマウンテン」 (スクリーンサイズ) 18/19以上 (欠点豆) 4粒以下
「ETL」 (スクリーンサイズ) 18以上 (欠点豆) 12粒以下
「TL」 (スクリーンサイズ) 17以上 (欠点豆) 19粒以下
「AL」 (スクリーンサイズ) 16以上 (欠点豆) 22粒以下
の4段階に格付けされています。
コロンビアのグレード(等級/格付け)
コロンビアでは、スクリーンサイズによって、「エクセルソ プレミアム」 (スクリーンサイズ) 18
「エクセルソ マラゴジッペ」 (スクリーンサイズ) 17
「エクセルソ スプレモ」 (スクリーンサイズ) 17
「エクセルソ エクストラ」 (スクリーンサイズ) 16
「エクセルソ ヨーロッパ」 (スクリーンサイズ) 15
「エクセルソ UGQ」 (スクリーンサイズ) 14
「エクセルソ カラコル」 (スクリーンサイズ) 12
上記のようにグレード(等級/格付け)が分かれています。
スクリーンサイズが16以上のプレミアム / マラゴジッペ / スプレモ と カラコル だけが、スペシャルティコーヒーに分類されています。
一般的には、スプレモを目にすることが多いと思います。
ジャマイカのグレード(等級/格付け)
ジャマイカのグレード(等級/格付け)は、ブルーマウンテンとそれ以外のコーヒー豆とで異なります。
ブルーマウンテンはスクリーンサイズ(粒の大きさ)と欠点豆の数で、
「No.1」… (スクリーンサイズ) 17~18 (欠点豆) 最大2%
「No.2」 … (スクリーンサイズ) 16~17 (欠点豆) 最大2%
「No.3」 … (スクリーンサイズ) 15~16 (欠点豆) 最大2%
「トリエイジ(セレクト)」 … (スクリーンサイズ) 16~17 (欠点豆) 最大4%
上記のようなグレード(等級/格付け)となっています。
最高級品の「No.1」は、上記の厳しい基準値を満たした豆だけが認定されます。
タンザニアのグレード(等級/格付け)
タンザニアのコーヒー豆は大きさ(スクリーンサイズ)と欠点豆の量などによって、「AA」… (スクリーンサイズ) 6.75mm以上
「A」… (スクリーンサイズ) 6.25~6.74mm
「B」… (スクリーンサイズ) 6.15~6.24mm
「C」… (スクリーンサイズ) 5.90~6.13mm
「E」… AAより著しく大きい豆
上記のようなグレード(等級/格付け)に分かれています。
パナマのグレード(等級/格付け)
パナマでは標高によって、「SHB」… 標高1350m以上
「HB」… 標高1050〜1350m
「EPW」… 標高900〜1050m
上記のようになっています。
標高が高いほどコーヒー豆が引き締まって固くなるのでグレード(等級/格付け)が高い、というのがパナマの評価基準のようです。
ハワイのグレード(等級/格付け)
ハワイ(コナコーヒー)のグレード(等級/格付け)は、ハワイ州の法律によって厳格に管理されています。
コーヒー豆の大きさ(スクリーンサイズ)と欠点豆の量により、
「エクストラ・ファンシー」… 最上級グレードの豆
(スクリーンサイズ) 19以上 (欠点豆) 1ポンド中10粒以下
「ファンシー」
(スクリーンサイズ) 18 (欠点豆) 1ポンド中16粒以下
「ナンバー1」
(スクリーンサイズ) 16以上 (欠点豆) 1ポンド中20粒以下
「セレクト」
(スクリーンサイズ) 基準なし (欠点豆) 1ポンド中5%以下
「プライム」
(スクリーンサイズ) 基準なし (欠点豆) 1ポンド中25%以下
の5段階のグレード(等級/格付け)に分けられています。
ブラジルのグレード(等級/格付け)
ブラジルのグレード(等級/格付け)は少し複雑です。欠点豆の数 / スクリーンサイズ / カップテストごとに、下記のように分かれています。
■ 欠点豆の数 (生豆300g中)
「No.2」… 0~4個
「No.3」… 5~8個
「No.4」… 9~26個
「No.5」… 27~46個
「No.6」… 47~86個
「No.7」… 87~160個
「No.8」… 161~360個
※欠点豆が0ということはないという前提なので「No.1」は存在しない
輸出対象となるのは、「No.6」以上のコーヒー豆です。
■ スクリーンサイズ
「スクリーン20」… 8mm
「スクリーン19」… 7.5mm
「スクリーン18」… 7mm
「スクリーン17」… 6.75mm
「スクリーン16」… 6.5mm
「スクリーン15」… 6mm
「スクリーン14」… 5.5mm
「スクリーン13」… 5mm
輸出対象となるのは、「16」以上のコーヒー豆です。
■ カップテスト
「SS(ストリクトリーソフト)」… 十分に滑らかで甘みがある
「S(ソフト)」… 滑らかで甘みがある
「St(ソフティッシュ)」… 軽めの甘みがある
「H(ハード)」… 酸味や渋みがある
「R(リオイ)」… 軽い薬品臭(ヨード臭)がある
「Rz(リオ)」… 強い薬品臭(ヨード臭)がある
「R(リオイ)」「Rz(リオ)」などで発生する薬品臭(ヨード臭)はリオ臭とも呼ばれ、カルキ臭・フェノール臭などと表現されることもあり、日本では一般的には嫌われています。
メキシコのグレード(等級/格付け)
メキシコでは、標高によって、「SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)」 (標高) 1700m以上
「HG(ハイ・グロウン)」 (標高) 1000~1699m
「SD(スタンダード)」 (標高) 700~999m
「AL(アルツーラ)」 (標高) 1300m以上
「PL(プリマラバド)」 (標高) 900~1299m
「BL(ブエンラバド)」 (標高) 750~899m
上記のように、2種類のグレード(等級/格付け)が混在しています。