こちらでは、リベリカ種(リベリカコーヒーノキ)についてご紹介します。
「リベリカ種」はアラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種)と並ぶ、コーヒーの三大原種のひとつ。
正式名称(学名)は「Coffea liberica」で、アカネ科の植物です。
アラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種)に比べ生産量が著しく少ないため、生産国で消費されてしまうことが多く、日本ではあまり流通していないコーヒー豆です。
ここでは、リベリカ種の原産地・生産地・アラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種)との違い・味や香りの特徴・おすすめの飲み方などについてご紹介します。
リベリカ種「原産地」
リベリカ種の原産地は、西アフリカにあるリベリアです。
ただ、現在ではリベリアでの生産量はあまり多くはなく、フィリピンやマレーシアなどでの生産量の方が多いようです。
リベリカ種「生産地」
フィリピン(バラココーヒー)
フィリピンでは「バラココーヒー」というリベリカ種のコーヒーが有名です。
バラココーヒーは、ルソン島・バタンガス州で生産されているリベリカ種のみ当てはまるようです。
マレーシア(エレファントコーヒー)
マレーシアでのリベリカ種は「エレファントコーヒー」と呼ばれており、日本にも流通しています。
リベリカ種「アラビカ種/ロブスタ種との違い」
リベリカ種はアラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種)と並ぶコーヒーの三大原種ですが、限られた地域でしか生産されていないこともあり、世界全体のコーヒー豆における生産比率(割合)は1%以下。
”幻のコーヒー” とも呼ばれるその希少性は、アラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種)との違いのひとつです。
アラビカ種 / ロブスタ種(カネフォラ種) / リベリカ種の違いとしては、
■ 生産比率(割合)の違い
アラビカ種:全体の60~70%程度
ロブスタ種:全体の30~40%程度
リベリカ種:全体の1%以下
■ 原産地の違い
アラビカ種:エチオピア
ロブスタ種:コンゴ
リベリカ種:リベリア
■ 生産地の違い
アラビカ種:ブラジル、コロンビア、エチオピア、ホンジュラス、ベルー、グアテマラなど
ロブスタ種:ベトナム、ブラジル、インドネシア、ウガンダ、インド、マレーシアなど
リベリカ種:フィリピン、マレーシア、リベリアなど
■ 栽培エリア(標高)の違い
アラビカ種:高地(標高1000m以上)での栽培に適している
ロブスタ種:低地(標高1000m以下)での栽培に適している
リベリカ種:平地(標高200m以下)でも栽培できる
■ 豆の形の違い
アラビカ種:平たい楕円形
ロブスタ種:アラビカ種よりも丸い
リベリカ種:菱形
■ 風味などの特徴の違い
アラビカ種:フルーティーな強めの酸味と甘い香り
ロブスタ種:しっかりとした苦味、酸味は弱め、麦の焦げたような香り
リベリカ種:苦味強め、酸味は弱め、独特のスパイシーな香り
■ カフェイン含有量の違い
アラビカ種:約1% (少ない)
ロブスタ種:約2% (アラビカ種の約2倍)
リベリカ種:アラビカ種とロブスタ種の中程度
■ 病気・害虫などへの耐性の違い
アラビカ種:病気(コーヒーさび病など)・害虫などに弱い
ロブスタ種:病気・害虫などに強く、コーヒーさび病への耐性が強い
リベリカ種:病気・害虫などに強いが、コーヒーさび病への耐性は弱い
■ 主な用途の違い
アラビカ種:高品質なレギュラーコーヒー、スペシャルティコーヒーなど
ロブスタ種:缶コーヒー、インスタントコーヒー、エスプレッソなど
リベリカ種:限られた市場のみで流通 (生産量が限られるため)
上記のような違いが挙げられます。
リベリカ種「味や香りの特徴」
リベリカ種の味の特徴は、苦味が強いことです。
スパイシーな香りも、リベリカ種の特徴です。
リベリカ種「おすすめの飲み方」
リベリカ種の苦味と独特のスパイシーな香りを楽しめる、ブラック(砂糖やミルクを加えない)の状態で飲むのがおすすめの飲み方です。
苦味が強い場合には、砂糖やミルクを加えるとまろやかな味わいになりますよ。