こちらでは「エスプレッソコーヒー」についてご紹介します。
大手メーカーや有名コーヒー店でも豆や粉で販売されていることが多いので、「エスプレッソ」という言葉は聞いたことがある人も多いと思います。
セブンイレブンなどのコンビニの商品などでも、見かける名前ですよね。
「ステラおばさんのクッキー」でもエスプレッソコーヒーという味があり、とても人気です。
コーヒー以外でも、「午後の紅茶」にエスプレッソティーというものがありますね。
弊社ブランド【いしい珈琲 by NAOKI ISHII】からも、エスプレッソブレンドのコーヒー豆を販売しております。
ここでは、エスプレッソコーヒーの名前の由来・発祥(起源)・歴史・作り方、普通のコーヒーとの違いなどについてご紹介します。
エスプレッソコーヒー「名前の由来」(意味)
エスプレッソの名前の由来には諸説あるようですが、英語の ”express” (急行)が由来という説が一般的には知られています。
エスプレッソには他にも「特別な、注文ごとに」といった意味があり、こちらが名前の由来という説もあるそうです。
エスプレッソコーヒー「発祥(起源)はどこの国?」
エスプレッソの発祥(起源)は、現在でも本場であるイタリアです。
本場イタリアでは、コーヒー = エスプレッソのことを指すそうですよ。
エスプレッソコーヒー「歴史」
コーヒーには長い歴史がありますが、エスプレッソの誕生は比較的新しく、20世紀初頭です。
ただ、エスプレッソが誕生するきっかけはもう少し前の1806年、ナポレオンが発布した「大陸封鎖令」で、これにより植民地からのコーヒー輸入ができなくなりました。
それに伴いヨーロッパ大陸全土におけるコーヒー不足が起きてしまい、当時のカフェオーナーたちを困らせることになってしまったそうです。
大麦を飲むなどで代用することも広がりましたが、カフェインが入っていないなどコーヒーの代わりになるほどではなく、カフェオーナーの1人がその状況を打破するため、コーヒーの量を3分の2にして価格を下げて販売。
それが広がっていき、現在の小さなカップでコーヒーを飲むというエスプレッソへとつながっていったとされています。
上記は、「デミタスカップ」(半分の意味の ”デミ” + カップの意味の ”タス” を合わせた言葉)の起源でもあるのだとか。
「デミタスカップ」の誕生から約1世紀後の1901年に、ベゼラ社創始者のルイジ・ベゼラという人物が、エスプレッソマシンを開発。
このエスプレッソマシンの特許をデジデリオ・パボーニという人物が買い取り、1906年のミラノ万国博覧会で紹介したことが、イタリアで広く受け入れられることにつながりました。
その後、イタリア「illy(イリー)」の創業者であるフランチェスコ・イリーが1933年、現在のエスプレッソマシンの主流となるセミオートマチック式の開発に成功。
1948年にはガジア社から登場したピストンレバー式のエスプレッソマシンでは、泡(クレマ)ができるようになりました。
1961年、フェルマ社から電気ポンプ式が登場し、これが現在のスタンダードとなっています。
日本では「Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー)」などのシアトル系コーヒーチェーンが増えた1990年代にエスプレッソが急速に普及し、現在に至っています。
エスプレッソコーヒー「一般的なコーヒーとの違いは?」
エスプレッソコーヒーと(一般的な)コーヒーとの違いは、ひとつは抽出方法。
一般的なコーヒーはお湯を注ぎながら時間をかけて抽出することが多いですが、エスプレッソは専用の器具を使用して短時間で抽出します。
味にも違いがあり、エスプレッソは一般的なコーヒーに比べ濃厚で苦味が強いのが特徴です。
エスプレッソは7~8gに対して25ml前後、一般的なコーヒーは10gで約1杯分(150ml前後)と抽出量もかなり違います。
エスプレッソコーヒー「カプチーノとの違いは?」
カプチーノとは、エスプレッソに泡立てた牛乳を加えたもの。
牛乳が入っているか入っていないか、が違いになります。
エスプレッソコーヒー「フレンチプレスとの違いは?」
エスプレッソコーヒーとフレンチプレスとの違いは、抽出方法になります。
エスプレッソは専用のマシンで圧力をかけての抽出になりますが、フレンチプレスはガラスポットにコーヒー粉を入れてお湯を注ぎ、金属フィルターを押し下げて抽出します。
フレンチプレスはエスプレッソに比べると抽出に時間がかかることがデメリットとも言えますが、技術的な差が出にくく、安定して同じ味に仕上がりやすい点がメリットでもあります。
エスプレッソコーヒー「ネスプレッソとの違いは?」
「ネスプレッソ」は、ネスレ(ネスカフェ)のエスプレッソブランド。
一般のエスプレッソとの違いは、ネスレ(ネスカフェ)独自の専用カプセルを使用して抽出するコーヒーメーカーとなっている点です。
エスプレッソコーヒー「カフェイン」
エスプレッソは1杯の量が30ml前後と少なく、使用されるコーヒー豆の量も7~8gと少量です。
1杯あたりのカフェイン量は約60mgで、一般的なコーヒー1杯(150ml前後)の約90mgに比べて少なめです。
ただ、1mlあたりで換算すると3~4倍のカフェイン量になるので、カフェインが苦手な方はあまり飲みすぎない方が良いでしょう。
エスプレッソコーヒー「抽出方法」
エスプレッソコーヒーは、細かく挽いたコーヒーに専用のマシンで圧力をかけて抽出します。
エスプレッソマシンに適した挽き方は「極細挽き」で、通常のコーヒーの出し方だと苦味が強く出てしまい適していませんが、短時間(20~30秒程度)で抽出するエスプレッソには適しています。
圧力をかけ続けたり、抽出に時間をかけすぎるとえぐみが出やすいので、注意が必要です。
エスプレッソコーヒー「泡立ち」(クレマ)
エスプレッソコーヒーの泡をクレマといい、英語のクリームと同じ意味です。
エスプレッソコーヒーは抽出時に高い圧力をかけるので、コーヒーに含まれる炭酸ガスが一気に押し出されることで、クレマが発生します。
クレマの量(泡立ち)は、コーヒーに含まれている炭酸ガスの量と関係しています。
焙煎から時間が経過するほど炭酸ガスは抜けていくので、クレマの泡立ちが良いということは、コーヒーが新鮮であるということになりますね。
エスプレッソコーヒー「妊娠中や生理中は?」
エスプレッソコーヒーにはカフェインが含まれているので、妊娠中(妊婦)の方は注意する必要があります。
カフェインは胎児の健康に悪影響を及ぼす可能性があると考えられており、成人は1日400mgまで安全とされているのに対し、妊娠中(妊婦)の方は1日200mgまでが推奨されています。
200mgは通常のコーヒーでマグカップ2杯程度の量ですが、エスプレッソコーヒーにもカフェインが1杯で60mg程度含まれているため、やはり1日2~3杯程度までにした方が良いでしょう。
また、カフェインは血管収縮作用により血行が悪くなるため、生理中は痛みが悪化する可能性がありますので、あまり飲まない方が良さそうです。
エスプレッソコーヒー「作り方」
エスプレッソコーヒーのマシンでの作り方は、
(1) ミルやグラインダーでコーヒー豆を挽く
焙煎度は中深煎り(シティロースト)以上、挽き方は極細挽きがおすすめです。
(2) 挽いたコーヒー粉をホルダーに入れる (ドーシング)
(3) 入れたコーヒー粉をならす (レベリング)
(4) ならしたコーヒー粉を押し固める (タンピング)
タンパーなどのツールを使うと便利です。
(5) マシンの抽出ボタンを押す。(1杯分・30ml前後)
エスプレッソコーヒー「飲み方」
エスプレッソコーヒーは、本場イタリアでは砂糖を2~3杯入れる飲み方が一般的です。
そのまま飲むとかなり苦いので、やはり砂糖を入れて飲むのがおすすめです。
最後に、カップの底に残った砂糖をすくって食べると、カラメルのような味わいを楽しめますよ。